きょうは久しぶりの書評ブログです。
ご紹介するのは、加藤諦三先生の「偽りの愛 真実の愛」
この本は世界的ロングセラーである、エーリッヒフロムの「愛するということ」(原題は『愛の技術』 The Art of Loving)について、加藤先生が探求し続けている人間のナルシシズムについての例も交えて語ってくれています。
すこし抜粋して引用します。
この本ではどちらかというと、これは決して愛ではないということに重点をおいた。そしてそのことを通して愛のあり方をみてきたつもりである。
人は愛を語る時、愛を与えるより愛を得ることを考えている。
愛するとは必ずしもすべて自然の感情ではないということをより正確にいえば、愛するということは学習するということである。
愛されたいという気持は生まれつきのものであろう。小さい子供にとって愛されることは必要なことである。愛されることは何も学習しなくてもできるものである。性行為を教わることなしにできるように、愛されることも教わることなしにできる。
しかし、愛するということは学習という部分がはいる。愛されることの喜びははじめからあるが、愛することの喜びははじめからあるものではない。それは自らのナルシシズムと戦い、自らの感情的未成熟を克服していく苦しいいとなみである。愛するとは相手そのものへの関心なのである。
ナルシストは相手を愛しているところの自分にしか関心がない。
僕の解釈
つまり、愛されることに努力は必要ない。
人を愛するという事は、成長しながら学んでいくしかない。
ということかと思います。愛することは難しいです。どうしても、愛されたいと思ってしまいます。
もとのエーリッヒ・フロムの「愛するということ」という本は、古典に入る本ですが、愛に関する本のなかでは突出しています。
こちらも是非。